メールマガジン掲載事例(2015年5月号)

●相談内容

 70歳の奥様からの相談です。
 主人(78歳)は医者から「認知症ですね。海馬が委縮してます。」と言われ、息子はいるけれども別居しており、介護には非協力的とのこと。記憶力が徐々に低下してきているようで、散歩も兼ねて一人で買い物に行ってもらっているが、買う物をメモに書いて渡しても間違った物を買ってくることが増えたり、とっくに夕食は終わっているのに「ご飯はまだか?」と言ってきたり、びっくりすることが多くなってきた。元通りの主人に戻って欲しいし、記憶力を元に戻せるような薬や治療は無いのか。



●回答

 ご主人は、認知症になる直前まで仕事をされており、やっと夫婦二人でゆっくりと旅行ができると喜んでいたところだったので、奥さんの落胆したお気持ちはよくわかりますし、記憶力が元に戻って欲しいと願う気持ちもわかります。奥様の頭の中から、この思いが消えないので、ご主人に対して「もっとしっかりしてよ!」「どうして忘れてしまうの!」ときつい口調で言ってしまうこともあるようです。でも、現代の医学では認知症を治す薬はありませんから、時間はかかるとは思いますが「ご主人は認知症という病気であり、治ることはない」と受け入れましょう。そして、もう少しゆったりした気持ちで、介護ができるといいですね。ストレスが溜まってきて、話しを聞いて欲しくなった時には、いつでも電話をかけてきてください。



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